背景には、政府が掲げる2050年カーボンニュートラルの達成、さらに近い目標では2030年の温室効果ガス46%削減(2013年比)および2030年のエネルギーミックスの再エネ比率36~38%という導入目標があります。現状のペースでは2030年目標達成は不可能だということが判明しており、さらに導入拡大を目指す必要があるわけです。設備導入の初期段階における買取価格を高く設定し、早期での投資回収を可能にすることで、建物屋根への導入を拡大させる狙いです。そのことを実現するために今回の固定価格買取制度の変更が行われたわけです。
FIT制度(固定価格買取制度)とは?
FIT制度とは「Feed-in Tariff」の略で、再生可能エネルギーの普及促進のために2012年度から運用が開始されました。太陽光発電や風力発電など再生可能エネルギーで発電された電力を電力会社が一定の価格で一定期間買い取ることを決めた法律です。期間は10kW未満は10年間、10kW以上は20年間となります。事業者にとっては、長期間にわたる固定収入が約束されることから、投資計画を立てやすい点が魅力で、一般家庭、企業問わず数多くの事業者がFIT制度を活用して太陽光発電を導入しています。
FIT買取価格のこれまでの推移
運用開始時は1kWhあたり42円でしたが買取価格は、毎年下がり続け2024で1kWhあたり16円となりました。
2025年1月30日に開催されたFIT制度の買取価格等を議論する調達価格等算定委員会において2025年度の屋根設置太陽光発電のFIT制度における買取価格が提案され、2025年3月21日資源エネルギー庁から最終決定のリリースがされました。
太陽光発電kW 買取価格・期間 | |||
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10kW未満 24円【~4年】8.3円【5年~10年】 | |||
10kW以上(屋根置き) 19円【~5年】8.3円【6年~20年】 |
10kW未満(住宅用)太陽光発電の買取価格は、大きな変更があります。
2025年9月認定申請分まではすでに公表にある通りの15円/kWhですが、10月以降分については、最初の4年間を24円/kWh、5年以降は8.3円/kWhとなります。この買取価格は2026年度も適用されます。買取期間はこれまでと変わらず10年間です。太陽光発電の屋根への設置を促すために、設備導入当初の売電価格を高めに設定することで、投資回収を早める狙いがあります。
屋根設置10kW以上も変更されます。
2023年度の申請から登場した主に企業向けの10kW以上の屋根設置区分は、2025年9月までの認定申請分については、11.5円/kWhで、10月以降分から最初の5年間を19円/kWh、6年目以降は8.3円/kWhとなります。この買取価格hは2026年度にも適用されます。買取期間は20年です。住宅用の措置と同じく、屋根の太陽光発電設備の導入を拡大するする目的です。初期投資の回収を早めることができ、電気代の削減、CO2排出量の削減などに効果的です。
まず大前提として、いくら売電価格が上がったからと言っても自家消費率を高めた方が電気代削減による経済効果は大きいということです。FITの高い売電価格で売電したとしても、それでも尚自家消費の方がお得です。今回の売電価格は、電気料金の水準を超えないように設定されていますので、売電量を増やしてもお得になるわけではありません。ただ、太陽光発電の発電は一定してないので100%自家消費することは現実的ではありません。どうしても余剰電力が発生してしまいます。その余剰電力の売電価格を上げることで、投資回収を早めらるという考え方です。したがって自家消費優先+αということです。
昼間お留守で蓄電池を併用
完全自家消費型の太陽光発電システムとなるので、売電はわずかとなります。自家消費の経済効果がほとんどなりますので、メリットは少ないと言えます。
昼間在宅・昼間エコキュート
昼間在宅で昼間太陽光発電の電力でエコキュートのお湯を沸かす場合も自家消費が中心となりますが、売電単価が上がることでのメリットもあります。
工場・倉庫等
発電量も電気の使用量も大きいため、自家消費が前提に変わりありませんが、FITで売電することで、投資回収を早める可能性があり、適正kW数であれば、メリットがあります。
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